涼しくさわやか
麻は天然繊維の中で最も涼しい繊維といわれ、高温・多湿な季節に特に最適な素材です。
そのさわやかな涼感と感触は他の素材では味わうことが出来ません。
- 腰が強く、汗ばんでも肌に密着しない。
- 通気性が優れている。
- 水分の吸収、発散が早い。
丈夫で長もち
麻は天然繊維の中で最も強力であり、さらに水に濡れるとその強さを増す性質があり、耐久性に優れています。
優雅な個性ある風合
優雅な光沢としっとりした上品な個性ある風合いは、天然繊維、ラミー・リネンだけが持つ優れた感触で、ファッション素材として幅広い分野で、さわやかな表情を見せてくれます。
清潔で衛生的
洗濯で汚れが落ちやすいので肌着、ハンカチーフ、ナプキン、テーブルクロスなど清潔さが要求される場合に麻の特性は、いかんなく生かされます。
麻(リネン)衿芯特徴
- 素材にハリ・コシ・粘りが有る為、衿をキレイに立ち上げる事が出来ます。
- 湿度の多い衿部は、吸収性・撥水性・耐久性・復元性・抗菌性・に優れた、麻素材がベストです。
- 綿素材は動き過ぎる為、着古して来たら芯地事態がダレて来ます。
- ポリエステル素材だと動きがほとんど無く、表地とケンカします。
- これらは、衿部の無用なシワの原因になります。
- 衿元の芯地は、復元性が高い素材をお選び下さい。
- 麻素材はなじみ・復元性が高いので、型崩れし難いです。
- 撥水性・抗菌性の高い麻素材は、湿り気・臭い・他の対策に最適です。
- 弊社の麻衿芯は、衿芯専用のエラス加工(バイアスの動きを出す加工)を施して有る為、衿作り(いせ込み・立体カーブ)の作業工程が遣り易くなります。
- 麻素材特有のペクチン質による繊維の粘りが、衿作り(いせ込み・立体カーブ) の縫製を補助する様に作用し、他素材に比べて格段と遣り易くなります。
- 作業が遣り易い=良い縫製が出来ると言う事になります。
- 胸部のラペルとのゴージラインが、ボディーに吸い付く様にキレイに決まります。
各加工の特徴
US(樹脂加工)
ユナイテッドシュランクの略で、樹脂により収縮を止めたものです。
織物独特の動きを止めている為ストレート性に長けています。
故にベルト芯・前芯・箱芯・立ち衿などの常に真っ直ぐを保ちたい所に用いられます。
ES(エラス樹脂加工)
エラス樹脂加工とは、従来(US)の収縮等を止めた最後の工程で、全体に付いた樹脂を外し、糸と糸が交差する接点だけで止まる様にします。
この加工をする事により、斜め(バイアス)の動きが生まれ衿の湾曲した形に綺麗に
フィットします。
DK(ダック加工)
ダックの語源は帆船で、即ち帆船で使われる様に、風が繊維の隙間から逃げない様に、
繊維の隙間を潰した生地です。
カーディガン加工とも言い何トンも有るローラーで圧力をかけて繊維の目を潰した物です。
目がつぶれている分繊維が動かず、ストレート性に長けている為、ベルト芯・前芯などに良く使われて来ました。
圧力をかけている分、表面がツルっとし、生地に光沢が出来、比較的滑り易いと言う事で、色んな用途に使われています。
麻のハリはそのままで、ダック性は水に浸ける時間の調整で、風合い等も自由に変えられる事から、テーラー関係などの個々のニーズに応えなければならない御客様に重宝されています。
中継ぎ
中継ぎとは、衿部の大事な工程です。
衿芯はバイアス方向に使います。平織生地の糸の撚りは同一方向です。
そのまま衿型を抜いた芯地を使用すると、撚糸の力のせいで片方は垂れ落ち、片方は跳
ね上がります。
両方垂れ落ちれば、綺麗にゴージラインが出ます。
その為に、真ん中から片方は芯地の表面・片方は裏面の物を真ん中で繋ぎます。その作業
を中継ぎと言います。
簡単に言うと、撚糸の方向を正す工程です。
糸の撚り(撚糸)
撚りの方向にはS撚りとZ撚りがある。これを右撚り、左撚りと呼ぶ場合もある。
通常の平織は、基本的に左撚り(Z)の糸だけを使用します。
糸の撚りの解けようとする力が、平織だと一定方向に力が掛かります。
上図、→の向きが、糸の撚りが解けようとする方向。
S・Z交差織り
S・Z交差織とは、Z Z S S Z Z S Sと2本ずつ交互に撚りの違う糸を打ち込んでいます。
そうする事によって、平織で生じる同一方向に掛かる解けようとする力を相殺する事が出来ます。
これにより、中継ぎの工程を無くし、綺麗に衿を添わせる事が出来ます。
S・Z交差織は力が相殺される為に、左右のバランスが均等に取れます。